|
飛べない羽
|
風のない丘 遠く煙る街 フェンスに腰掛けて
通り過ぎてきた 名も知らない場所 思いを馳せて
どこにあるの
どこで会うの
体に開いた大きな穴を 両手で塞いでも
追いかけて来る ヌルい雨が 隙間に流れ込む
どこにいても
それで終わりじゃないんだと
人が大きな空を初めて飛んだ日のように
どんな事であっても 有り得ない事じゃないと
いつか掴める日まで 探し続ける為に
飛べない羽 千切れるほど 広げて
雨上がりの道 急に晴れた空 咽る夏の匂い
爪の先から頭の先へ 駆け抜ける思い
どこにいても
それは自分でしかないだろう
いつか開かない扉 通り抜けてくために
昨日、今日と、明日へと
争い続けている
ここで負けないように 霞む先を見つめて
途切れる事のない 靴音が 響くよ
風のない丘 遠く煙る街 フェンスに腰掛けて
通ってきたもの 消せない印 刻まれた身体で
ここで終わりじゃないんだと
何を失くしてもいいんだと
いつか壊してもいいんだと
いつか大きな空に 届くような気がして
バカな事と知っていても 求めずにいられなくて
いつか見つける日まで 探し続ける為に
飛べない羽 千切れるほど 広げて
飛べない羽 千切れるほど 広げて
2008.12 |
|
|
|
|